若いこだま 1978年6月23日「ゲスト 中島みゆき」 |
BGM♪「わかれうた」中島みゆき 甲斐 こんばんわ、甲斐よしひろです。今日は、あー、ゲストの、おー、曜日と言う感じで、えー、3回目ですか、大体。ええ。素敵な、えー、ゲストの方を、今日はお呼びしています(笑)。はい。中島みゆきさんです。どうも、こんばんわ。 中島 どうも、こんにちは。素敵な中島みゆきです(笑)。 甲斐 この前、あの、「世情」と言う曲をかけまして、この番組で。 中島 あ、どうも、恐縮でございます。 甲斐 (笑)あれは、北大の発想だと言う、北大のグリーンクラブの発想だと言う、吉見佑子があの、僕に言いまして。 中島 (笑)。北大のグリーンクラブ。 甲斐 その発想だと言う。 中島 あー。 甲斐 何となくね、北大のね。 中島 うん。 甲斐 こう、並木道が見えてくると言う。 中島 ほ〜〜ん。そんなもんかしらね。 甲斐 そしたら、ハガキがボーんと来まして。 中島 ええ。 甲斐 あの、先にあたしが中島みゆきをね、見つけたんだから、甲斐さんが遅いからね、あたしの勝ちよ、とかね(笑)。 中島 勝ちよ(笑)。 甲斐 そう言うのがたくさん来まして。 中島 いや、なかなか、しかし、「世情」が北大ね。まあ、学生の、学生の頃って言うかね、まあ、その近辺にね。 甲斐 うん。 中島 まあ、札幌だから。 甲斐 ずーっとさ、もう、生まれたときから北海道なんですか? 中島 そう。 甲斐 あ、そう。 中島 隣の札幌でね、あと、仕事の都合で、親のね、あっち行ったりこっち行ったり。 甲斐 あー、したけど。 中島 北海道の中では動いてるけど。 甲斐 うーん。東京・・今ちょっと聞いたんだけどさ。 中島 うん。 甲斐 東京は、何、半分?大体、北海道と。 中島 うん。半分以上。 甲斐 あ、ツアーがあるんだよね。 中島 うん、そうね。 甲斐 東京っていわゆる、わりとそんなに広くないホテルみたいな所、借りてる訳でしょ? 中島 うん。そんなとこ。やっぱり、きっちり住んじゃう気はしないのね。 甲斐 うん。やっぱりこう、出稼ぎと言うか。 中島 出稼ぎ。なーんていい言葉だろう。 甲斐 (笑)ね。非常にね。 中島 そうすると、あたしは、飯場にいるのか、ここは(笑)。うん、そんな感じだね。 甲斐 わりとさ、だけど、今さ、びっくりしたんだけどさ。 中島 うん。 甲斐 (笑)おかしいね。東京ってさ、どこまで行っても家があるって言うのね(笑)。 中島 うん、そうよ。あれは驚異よ。 甲斐 そ〜。 中島 うん。いや、どんなに高いビル上がって見てもさ、ずーっと家があるじゃない。 甲斐 うん(笑)ハハハ(笑)。 中島 ずーっと向こうまで、家が見えるじゃない。これは驚異よ。 甲斐 あ、そう。俺なんかさ、これも前言ったんだけどさ・ 中島 うん。 甲斐 隣がないと、イヤよ。 中島 (笑)。地平線に屋根が見えるってすごいね。 甲斐 (笑)クックックッ(笑)。 中島 すごい偉大な国ね(笑)。 甲斐 (笑)あ、そう。 中島 うん、するね。 甲斐 はー。やっぱりものすごい広いでしょ?もう、俺も結構北海道、行った事あるのね。 中島 うん。 甲斐 でさ、うちの事務所の部長が、やっぱり北海道の人なのよ。 中島 うん。 甲斐 でー、そう言う馴染みがあってさ、いろんな所、連れて行って貰った事、あるわけ。 中島 うん。 甲斐 でさ、ビール園でさ。 中島 ふふ〜ん(笑)。 甲斐 ビール園でね。あのね、大ジョッキに9杯飲んだの。 中島 ハハ(笑)。 甲斐 9杯。 中島 9杯。 甲斐 それでさ、11杯ってのがいる訳よ。 中島 うん。11。 甲斐 うん。あのさ、僕の・・僕の、あのー、レコード会社の宣伝がいる訳。東芝の宣伝が。 中島 あー!その噂、聞いた事ある。 甲斐 知ってる?知ってる?! 中島 うちのキャニオンにまで響きわたってる。その噂は!(笑)。 甲斐 高橋と言う、恐ろしい男がいましてですね。 中島 聞いた事ある。 甲斐 彼はもう何か、辞めたらしいんだけど。彼は、11杯でね、俺は9杯でしょ?で、ドラムの松藤が9杯な訳よ。 中島 フフッ(笑)。 甲斐 で、普通さ、ビール、コップ1杯で、酔ってもどしちゃうって言う、うちのリードギターが、4杯飲んだんだよね、大ジョッキで。 中島 なーんで。 甲斐 雰囲気で飲めるんだよ、人間ってのは。 中島 うん。それは言えるね。 甲斐 それで(笑)。 中島 (笑)雰囲気で。 甲斐 それでさ、ものすごい酔ってさ、ビール園の芝生でね、相撲取ったんですよ。本当に。そしたらさ、休日でさ、ものすごい多い訳よ、ビール園が。と、もう黒山の人だかりが出来てね。 中島 いや〜(笑)。 甲斐 中には何人か知ってる人がいる訳よ、僕等の正体を。 中島 うん。 甲斐 バカな事やってる、あの人達は、とか言う感じがありまして。 中島 わりと、あの程度なのね、とか言って、みんな見てたんでしょ?(笑)。 甲斐 (笑)ほとんど、そうでしょ(笑)。 中島 (笑)あ〜あ。 甲斐 だから、その時に、いろんな所に行った時にさ、もう、本当に地平線じゃない。 中島 うん、そうよ。 甲斐 俺はもう、ドキドキする訳。ああ言うの見ると。すごい、困るわけ。 中島 困る? 甲斐 困るよ。 中島 そうかしら。あたしは、ああいうんだと思ってるからさ。 甲斐 あー。 中島 うん。おー、野山に日が沈むって言う感じでね。日暮れってのは、そうだと思ってるから。 甲斐 夕焼け小焼けの赤トンボって感じだもんね。 中島 そうよ。うん、そしたら、夕焼け小焼けの日暮れの、沈んでく太陽の中に、屋根が見えるでしょ?こっちだと。 甲斐 うん。 中島 あれは偉大な事よ。 甲斐 ハハ(笑)。 中島 (笑)本当に。うわー、太陽がギザギザになってるって言うのあるでしょ?(笑) 甲斐 うん。あー、あー、あー。 中島 ね。北海道ってのは、こう、真っ平らか、もしくは、斜めに欠けて行くわけよ。 甲斐 うん、うん。そうそうそう。 中島 あー、ギザギザで消えてくじゃない。あれは偉大だ。 甲斐 (笑)そう。 中島 なんか、寂しい感じになってきた。 甲斐 とっても、あのー、好きな曲をかけようと思います。ええ。これは好きです。うちでね、よく聴くんだよ、これ。久しぶりに、2年ぶりぐらいに、人のLP、金出して買ったLP。 中島 恐縮。 甲斐 ”愛してると云ってくれ”の中から、「おまえの家」 ♪「おまえの家」中島みゆき |
甲斐 昔、あのー、加川良の「下宿屋」って云うのがあったんですが、これはもう、中島みゆき独自の下宿屋と言う。 中島 あははは・・・ 甲斐 感じがして、非常に好きなんですよね。 中島 自分でも好きよ。 甲斐 (笑) 中島 うん。 甲斐 言うなよ自分で、お前。 中島 でも、歌えないの。 甲斐 (笑) 中島 歌えないの。コンサートでも、どうしても出来ないのね。 甲斐 あ、そっか。 中島 逆にね、自分で、あの、取っといちゃうの。自分の部屋の中でだけ、自分で歌ってる感じなのね。 甲斐 あ、なるほどね。 中島 レコーディングの時は歌えたけどね、他の時、もう歌えない。 甲斐 ギター、自分で弾くんでしょ?これ。 中島 ああ、一応弾いてます。 甲斐 弾きながら歌ったんですか?それとも、ギターだけ先に。 中島 これは弾きながら。あの、リズムがすごい不安定だからね(笑)。 甲斐 ああ、いいですよ、なかなか。 中島 あ、揺れてるあたし、と言う。 甲斐・中島 (笑) 中島 ミュージシャンが泣いてしまう。うん。 甲斐 あのー、いろんなあのー、音楽、昔聴いた?歌う前と言うか。 中島 あたしはね、元々家にそう言う、家はあんまりそう言う裕福な方ではなかったのね。 甲斐 うん。 中島 ステレオっちゅうもんが、ずっとなかったの。 甲斐 決して家も、誇れる家ではありませんけど(笑)。ええ。 中島 (笑)で、レコードの、こう、何が流行ってるとか聴いてもね、聴く術がなかったんだけど、まだ。買えなかったしね。 甲斐 ラジオは? 中島 ラジオはたまに聞いてたけどね。それでも、FMがずっと入らなかったの。去年よ、やっとFMがついたコンタクトじゃねえや(笑)、トランジスタラジオ買ったの。 甲斐 本当? 中島 感激してね、これでやっと新聞のFM欄読めるじゃない?(笑)。 甲斐 ハハ(笑)。 中島 今までは、目、そらし続けて来たのよ。あの、FM欄を。 甲斐 (笑)何年間も? 中島 ねー(笑)。 甲斐 おかしいね、それね(笑)。 中島 20数年間、目、そらし続けて(笑)。 甲斐 急に何かおかしいよ、本当(笑)。生き様が見えるよ、今の(笑)。 中島 (笑)それも、だからね。 甲斐 東京なんかでさ、食事に行ったりするのって、やっぱり外に行くんでしょ? 中島 うん、一応。まあ、外食だけどね。だけど、あんまり外に出て歩くのは好きじゃない。 甲斐 うん。それでは、好きじゃない外出の事を、今度は、この曲が終わった後に、えー、自分の曲が・・・。イヤな感じだ。「らせん階段」甲斐バンド。はい。 ♪「らせん階段」甲斐バンド |
甲斐 あのー、趣味は何でしょう。こう言うの質問しなきゃ、やっぱりヤバイと思うんだよね。 中島 ああ。 甲斐 ゲストが来るとさ、本当に個人的にわかった所で話が終わるからね。 中島 アハハ(笑)。 甲斐 本当に。 中島 聞くのって難しいよね。 甲斐 いや、いいですよ、聞きます。 中島 あ、そうですか?どんどん聞いて下さい。 甲斐 (笑)趣味って何ですか? 中島 趣味ですか。 甲斐 ええ。 中島 趣味はやはりですね、あのー、ちょっと話が長くなりますけども。 甲斐 いや、いいですよ。もう、どんどん。 中島 あのー、家、帰りますね。布団、入りますね。 甲斐 はい。 中島 枕に頭、乗せますね。 甲斐 はい。 中島 掛け布団、掛けますね。 甲斐 はー。 中島 何となく、まだ居心地が悪いですね。落ち着きませんね。で、あっち向いたり、こっち向いたり、こう、何かして、ガサゴソガサゴソしてるうちに、何か、寝心地のいいスポットが見つかりますね。 甲斐 あー、はーはーはー。 中島 それを探す事が趣味です。 甲斐 寝付きが悪いの? 中島 うーん(笑)。ども限らないんだけどね。寝てる事、好き(笑)。 甲斐 (笑)あ、そう。 中島 うん。後は他にはね、起きていれば、動物を追っかけ回してんの、好きね。 甲斐 生き物? 中島 うん。 甲斐 あ、そう。どういう動物好き? 中島 野良犬とかね、野良猫とかね。 甲斐 (笑) 中島 その辺しかいないでしょ?一応、周りにはね。 甲斐 (笑)棒きれとか持って追うの? 中島 (笑)棒きれ持って追うんじゃないの。後を追っかけるの。私が。 甲斐 あ、そう〜。 中島 うん。 甲斐 うちのベースギターの長岡っているのね。 中島 うん。 甲斐 猫、見たらね、いじめなければいられない人なの。 中島 あら!本当? 甲斐 水、あの、水でっぽうってあるじゃない。 中島 うん。 甲斐 あれ持たすと、3時間くらい遊ぶの。猫と一緒に。遊んでるんじゃないの。本人は。 中島 いじめてるの? 甲斐 いじめてる訳よ。 中島 うーん。じゃれてるんじゃなく? 甲斐 そう。本当に、いじめてる訳よ。疎外してる訳よ。 中島 あら〜。あたし、その人、いじめようかしら(笑)、今度。 甲斐 そう言う人じゃ、ないんですよ。 中島 そう言う人じゃ。好きなのね。 甲斐 動物が。 中島 うん。 甲斐 あー、やっぱ、北海道って感じがするよ。 中島 ま〜た、北海道の方へ行く〜。 甲斐 大自然って感じがするよ(笑)。 中島 牛や馬が好きよ。 甲斐・中島 ハハハハハ(爆) 甲斐 馬ってのがいいよね(笑)。 中島 馬はでもさ、確かに馬によって、デリケートなんだけど。 甲斐 あー。 中島 今までこう、お会いした馬の方々はね、わりとこう、態度が、思う事を表す時が、がさつなお馬さんが多かったのでね。 甲斐 はーはー。 中島 ”馬、馬”って呼ぶと、”はーい”って振り向いた拍子にぶっ飛ばされたりする時あるからね。 甲斐 へぇ〜。 これ、ちょっといい。うん。この曲を聴いてください。「ホームにて」 ♪「ホームにて」中島みゆき |
甲斐 えー、今、たくさん人に曲をお書きになって。 中島 いえ、ボチボチなんですけどね。あの、目立つ人にばっかり書くから。 甲斐 ええ。 中島 目立って見えるんです。たくさんあるように。 甲斐 あー、そっか。 中島 うん。わざとそう言う人、選んでるしね(笑)。 甲斐 (笑)それは盛時(?)ですか?やっぱり。 中島 いえ、成り行きです(笑)。 甲斐 ああいう、あの、まあ、加藤登紀子とか、研ナオコとかさ、ああいう人達の歌聴くとやっぱり、どうです?自分で歌った方がいい?やっぱり。 中島 やっぱり、自分で歌った方が、ずーっとよかったなー。 甲斐 (笑)言うなよな。 中島 フフフ(笑)。 甲斐 言うかなって思ったら、やっぱり言ったよ。 中島 うん、言ってしまった。特に、売れたりするとね。 甲斐 ね。 中島 あたしが歌うんだったわー(笑)。 甲斐 ハハハ(笑)。はっきり言ってます、もう。 中島 はっきり言って、これしかない(笑)。 甲斐 (笑)あのー、「世情」なんか聴くと、やっぱり、僕とっても好きな、リフレインの詞があるでしょ。 中島 うん。 甲斐 あれが、もうのすごい好きなのね。で、ああいう何だっけ、変わらぬ時をただ単純に眺めて過ごす人って多すぎる訳じゃない。 中島 うん。 甲斐 で、僕もやっぱり、ああ言うのはすごい、ものすごくイヤな訳よ。 中島 うん。 甲斐 ああいうのは、やっぱり、ああいう思い、ずっとあった? 中島 ある。 甲斐 うん。 中島 うん。で、そうしながら自分でイヤだと思いながらも、もしかして自分でもやってんじゃないかとかね。 甲斐 うん、そうね。ある。絶対ある。俺もある。 中島 (笑) 甲斐 あの、イヤだって気付いてるからね。 中島 うん。 甲斐 自分の曲作った時みに、照らし合わしたりするの、思いを。 中島 うん(笑)。 甲斐 でー、ヤバイなーと思ったりする事、たくさんあるね。 中島 うん、ある。 甲斐 やっぱり、あのーたとえば、ラブソングでもさ、本当にあの、ありきたりって、ラブソングって、ほとんどありきたりなんだろうけど結局行き着く所は、でも、ありきたり過ぎる人っているじゃない。ああいう、他の人達の曲って言うんで、あんまり思い、ない?あまり、考えないか。 中島 あのね、曲にしちゃう段階ではね、あんまり考えなくなってる。 甲斐 うん。 中島 作る段階で、その前ではあーだこーだって自分で思う事あっても、こうー、うーん、かえってね、言葉にならない部分での思いの方があるじゃない? 甲斐 うん。 中島 で、そんな作品にまでと思うとさ、必ずしも、逆に言いたくない部分で出てきちゃうの。また、そうすると、言いたくない所を、取って取って取って、残ってチョロリって、こ〜んな感じでね。 甲斐 あー、なるほどね。 中島 うん。だから、本当は、だから、出来上がったら作品を後でね、これ、特に、惚れたはれたの歌になるとね(笑)。 甲斐 (笑)こういう人だから、多感な人だから、私も人に言えませんが(笑)。 中島 うん。後で言われると。 甲斐 魚座って、多感なんでしょ?やっぱり。 中島 (笑)多感。 甲斐 多感(笑)。 中島 いい言葉ですねー。 甲斐 いい言葉ですね。 中島 一般的に。 甲斐 これを、スケベだと言うと。 中島 あー!(笑)。 甲斐 ワイセツ的になるから(笑)、多感って言いましょうね。 中島 はい。 甲斐 多感って言いましょう。 中島 言ってください。 甲斐 僕も非常に、僕はものすごく思いがいっぱいある人なのね。人にすぐ惚れると言うか。 中島 うーん。 甲斐 そうですか? 中島 そうですね。はっきり言って。はー。節操ないんですね。 甲斐 (笑)あのー、2枚目のね、LP出したぐらいの時にね、俺ね、あの、自分でさ、惚れたはったとか、自分の愛ってのがあるわけじゃない?それを歌にする苦痛みたいな所って、ちょっと感じた時あったわけよ。で、結局好きな、すごい好きな女とさ別れたのを、何で自分の職業にしなくちゃいけないのかって言うのがあるじゃない。でも、その女の思いみたいなのを越えるにはさ、結局、歌、作っちゃわないと越えられない、自分もこれから立ち上がれないみたいな所で振り切った所ってあるのね。 中島 うん。 甲斐 そう言う思いってある? 中島 あるね。 甲斐 あった? 中島 うん。未だに、未だにそんなもんだけどね。 甲斐 うん。その辺やっぱり、ずっとしっかり持ってる?持ってるってのおかしいけど。 中島 わりと、惚れっぽいわりにはしぶといのね。 甲斐 (笑)あ、そうか。 中島 だから大変なんだけど、後が。 甲斐 うん。 中島 で、惚れっぽいわりにはしぶといからね、後々までこれは片づくって言う、気持ちの中で、片づかないね、なかなか。 甲斐 へぇ〜、なるほどね。 中島 うん。だから歌に。 甲斐 いい言葉を知ってるね。 中島 えー? 甲斐 片づかないって。 中島 (笑) 甲斐 素敵だよね。 中島 そうね。歌にしちゃっても言い切れなかったって気はするね。まだまだね。 甲斐 俺、だけど、ほとんどそうだよ。俺なんか。 中島 うん。 甲斐 でも、ここのさ、たとえば、変な話だけどさー、あの、みゆきさんの歌なんか聴くとさ、かなり、女の生理みたいな所で、ワーっと言っちゃってる感じがするじゃない。 中島 うん。 甲斐 でも、やっぱりそうだと思うよ。作ってる奴はみんなね。あれが、本当に空っぽになるぐらいまで言える、言えたらすごいな、素晴らしいなって思うけどさ。でも自分ではもう、めちゃくちゃ嫌みなんじゃない?後で。 中島 コンサートで歌う時が辛いね。 甲斐 そうそう。そうでしょ?あります。 中島 本番前のイヤな(笑)。 甲斐 (笑)あります。はっきりあるみたい。それでね、そのLPを作った後ぐらいには、ちょっとしょうがないから歌うわけよ。でもすぐやめるの。でね、2年ぐらい経ってね、急に歌ったら、すごい新鮮なわけよ。もう、自分の中ではある程度生理出来てたわけじゃない? 中島 うん。 甲斐 だから、すごい新鮮だったりするよ。 中島 うん。 甲斐 「東京の一夜」って言う曲、僕あるんですよ。 中島 うん。 甲斐 それは、何かもう、ずーっと歌ってなかったわけよ。1年半ぐらい。で、やっと近頃歌いだしたらね、目に見えない姿があるのね、自分で。 中島 (笑) 甲斐 それで自分で酔ったりするのね。イヤねー(笑)。 中島 (笑)あー、私は何か表情がチリっとなったりね(笑)して。 甲斐 本当に、僕等はとってもすごい職業なんでしょう、きっと。 中島 許されるのかしら。 甲斐 許されるのかしら(笑)。 えー、宛先をちょっと言わなくてはいけないので。ええ。水を差すんではありませんが。えー、渋谷区の神南のNHKに大体送って下さい。若いこだまで。甲斐よしひろと書けば、えー、いいでしょう。 えー、お酒なんかはよく。 中島 ええ。あのー、たしなむ程度に。 甲斐 たしなむ。やっぱり絶対そうですね。 中島 一応、そう答えるようにしております。 甲斐 (笑)よく飲みに行くと、昔よく聴いてたんです。これは、僕はこの歌は。 中島 (笑) 甲斐 で、どういう、「時代」を歌う人と、この歌を歌う人って、同じ人間なんて、とても、ちょっとわかんなかった、僕。 中島 私も当座、わかりませんでした(笑)。 甲斐 (笑)「アザミ嬢のララバイ」 ♪「アザミ嬢のララバイ」中島みゆき |
甲斐 今日はあのー、とっても、僕、楽しかったです。 中島 ああ、あたしもおもしろかったです。いいのかな? 甲斐 ええ。あのー、また来て下さい。 中島 ええ、どうもありがとう。 甲斐 屈託なく、こう言う感じで話せたのって、ちょっとめずらしいんです。僕は。 中島 あたしはあのー、あんまり自分の事、喋んないんですよ。取材なんかでもね、はぐらかしちゃうの。イヤなのね、自分の事喋るの。なぜか今日は、ついつられて。 甲斐 やっぱり、いい男といい女でしょう(笑)。あ、そうか。どうも。 中島 どうも。 甲斐 おやすみなさい。 |