若いこだま 1978年5月12日「ハガキを中心に」

オープニングテーマ♪「最後の夜汽車」甲斐バンド


 こんばんわ、甲斐よしひろです。先週1週間は、ちょっとおやすみだったんですが、えー、今週は、今夜は、みんなからたくさんもらったハガキを中心に、番組を進めて行こうと思ってます。
 えー、1ヶ月間ずっとまあ、4週間かな?甲斐よしひろ、もしくは、甲斐バンドと。どう言う感じかって言うのを、まあ、僕のソロLPを2週間かけたり、えー、甲斐バンドのライブとか、今まで出したLPの中から、1曲づづかけたり、まあ、いろいろやったんですが。今日は、あのー、非常にハガキたくさん貰ってるので、それを読みながら、今よく聴いてる曲とか、えー、そんなのをかけて行こうかと思ってます。
 えー、もうさっそくハガキを読もうと思いますが、匿名希望のやつがねー、わりと多いんだよね、匿名希望ってのは、非常にある種、卑怯さと言いますか、そい言うのがあるので、必ず書いてください。ええ。それで、あのー・・・・、まあいいや(笑)

 北九州市小倉北区、Nさん。
えー、甲斐さま。若いこだま担当おめでとうございます。思えば甲斐さまが、某局のセイヤングを降りてから早1年。久々に耳にする、甲斐さまのセクシーボイスに、涙、涙であります。できれば、メンバーの方々にも、ちょくちょく出てきただきたいわ。
と。そうですか。だって、甲斐さまのセクシーボイスプラス、長岡さんのアフタービートイントネーション。つまり長崎弁の事。(爆)おかしい(笑)松藤さんの、カマトト言葉(笑)大森さんのむっつりスケベ的発言が、もうたまりません。かの有名な鴨川つばめ、あ、マカロニほうれん荘ですね。鴨川つばめも福岡出身だとか。やっぱり福岡は、奇人変人の宝庫ですね。ふふっ。そうですか。

 あのー、わりとねえ、ハガキ読んでて多かったのは、ハガキ全部もう、読んだんですが、あのー、封書が多いんですよ。まあ、確かに、封書で書きたいと言う人の気持ちもわかるんですが、あのー、甲斐よしひろ、私、疲れます(笑)。はっきり言って。だからできるだけハガキにしてください。本当に(笑)。もう〜、疲れた〜。もう、2日間くらいね、チラチラ、チラチラするんだよね。それが非常にあのー、つろうございました。本当に。

 えー、茨城県は、Iさん。
第1回放送、拝聴いたしました。
拝聴ってもんでもありませんが、ちょっと。25才のお誕生日、おめでとうございます。私はよく、甲斐さまと村上龍さまが似てると言う事を聞きますが、それについて、ひと言。私は中1の時、あの、歌のお兄さんの、田中星児に似てると言われて以来、顔に自信をなくし、つい最近母に、武田鉄矢に似ていると言われてから、寝込んでおります。(爆)武田鉄矢をゲストに呼ぼうと思っておりますが。このハガキを見せます。それから、写真などで、拝見いたしますと、デビュー以来、髪の長さも、形も、あまり変化がないようですが、その髪型は、お気に召していらっしゃるんでしょうか。たまにはマンネリ打破を狙って、リーゼント、健太郎カット、カーリーヘアーなどにしてはいかがですか。えー、と言う・・。そうですか。あのー、あんまり髪はね、くしも入れないって人で。すいません。汚くはしてません。ちゃんと洗ってるんですが、あまり髪は、まあ、どうでもいいんですよ。
 
 えー、この方、甲斐ボケヒロ
甲斐さん、お元気ですか。
あー、ちょっと今、ディレクターの方を向いて、まだ読んでいいのかと言う合図を今、伺ったから、少しマイクオフをしました。甲斐さん、お元気ですか。男性諸君からもと言う言葉に勇気づけられ、年賀状しか出した事のない僕ですが、文章を書いて見る気になったのであります。率直に言って、甲斐さんはセクシーだと思う。だから、僕が魅かれたかもしれない。が、僕にその気がある訳ではないが。全く女っ気のない甲斐バンドの中で、大森さんなんか、甲斐さんを見て、そんな気にならないだろうか。そうですね・・・。何を言ってるんですか、いったい。
 
 えー、まだ、ハガキを続いて読みますが、1曲目をボーンと行こうと思います。これはね、今、一番よく聴いてると言うか、ちょっともう古くさいですが、リンダ・ロンシュタッド、「IT’S SO EASY」


♪「IT’S SO EASY」リンダ・ロンシュタッド


 バディー・ホリーの往年のヒット曲でありました。この曲は、非常に好きな曲で、ええ。
ハガキを読みます(笑)。関係ない事、すぐ言うんだ。

 えー、この方は、えっと、中野区のKさん。
去年の3月19日、えー、テレビ、ニューミュージックスペシャルと言う番組で、初めて甲斐バンドを見たとき、なぜか私も自分で何かしなくちゃって心の中で、何度も繰り返しました。そして、家の外へ飛び出して行って、アルバイトニュースを買った私。
(爆)(机をバンっと叩く)おかしい〜(笑)。ああ、そうですか。何かしなくちゃって、心の中で何度も繰り返し、家の外へ飛び出して行って、アルバイトニュースを買った私。ククク・・・(まだ笑ってる)何となくいいや、もう今ので。今のでお腹いっぱいになりましたけども。

 えー、東京都品川区、匿名希望・・・・・さん。
えー、この方はですね、非常にあのー、心配してくれてまして、えー、ディレクター様と言う感じで、あのー、湊さん。私の予測する所では、甲斐さんは、商品名、言ってはならない固有名詞などを、口走りそうです。でも、どうか番組から降ろさないでください。何せ、前の番組は、私がハガキを書き始めて1ヶ月で終わってしまったので。どうかどうか、よろしくお願いします。って言う、心配のハガキなど来てますが。
 
 えー、あのー先週って言うか、まあ、先週は休みだったんだけども、その前の週に、ソロLPをかけまして、それでね、ハガキたくさん貰ってます。あのー、読んじゃおう。

 この方は、調布、TMさん。
ソロアルバムは、遊びでよいと思います。ただし、子供の遊びです。子供時代の遊びは真剣だったはずです。メンコにしろ、ビー玉にしろ、戦争ゴッコにせよ。手に汗を握り、心臓をドキドキさせてやっていたはずです。遊びとは、本来そう言うものだと思います。ソロアルバムは、遊びでよいと思うのであります。見つめる前に飛んで見ようじゃないかと歌う、早川義夫の声は、女々しく、悲壮的で泣けてきます。からっぽの世界の飄々とした美しさは、最も直接的な、早川義夫の世界のような気がします。
えー、ずっと書いてありますが。えー、そうですか。「裏切りの季節」、ジャックスの勝ち。「サルビアの花」、早川義夫の勝ち。統率力、甲斐よしひろの勝ち。(笑)。決まっとりますなぁ。今のは。

 この方。名前は、レディ・ブラッディと言う方です。
SIDE A、1、「グッドナイト・ベイビー」。おやすみグッドナイトと歌いながら、あまりに賑やかで寝かしてくれない曲。
(笑)嫌みか、おい。

 岩槻市、Hさん。この方は、
先週のソロアルバムの特集、しっかりと聴きました。何か不思議な気がしました。甲斐さんが刺激された曲を甲斐さんが歌って、その甲斐さんが歌ってる曲を聴いて、私が刺激されている。きっと、もっともっと多くの人も刺激されたろうし、そしてまた、その人達が誰かを感じさせる。新しい音楽が生まれて、どんどん広がっていく。よいなー。甲斐さんもよいと思いませんか。
えー、そうですか。僕はあんまりわかりません。

 浦和市、Kさん。
拝啓、甲斐さん。こんにちは。先日の若いこだま、途中から聞いたのですが、すごく感激しました。なぜって、早川義夫さんの歌が少しかかったし、それに対する、あなたのおしゃべりを聞けたし。私、28才で、息子と娘がいますが、
あー、そっか。いいですね。なぜか今頃急に、レコードやラジオを聞き始めたんです。昔はよく、遠藤賢司やはっぴいえんどのコンサートに行ったりしていたんですけど、この4、5年はずっと空白でした。それで、リクエストなんですけど、早川義夫が歌っている、「ラブゼネレーション」がありましたら、是非かけてください。レコードケースをひっくり返して、岡林が歌っていた覚えがあるので探したけれど、私の持ってるレコードには入っていませんでした。えー、あのー、ジャックスはですね、いつか近いうちに、ジャックスばかりの特集をしますんで、その中で、「ラブゼネレーション」をかけようと思ってます。
 あのー、今、それで、この1枚前に読んだ、新しい音楽が生まれ、広がってよいなーと、この返答ってのは、このハガキなんじゃないでしょうかね。えー、娘と息子がいて、えー、何か28才で、早川義夫がいて、遠藤賢司がいると。その間に、甲斐よしひろも入れて欲しいなと。何か、いいですな。えー、非常にいいなーと言う感じがしてます。
 あのー、桃井かおりのやつをかけようと思いますが、いいですか?「蜃気楼のように」。


♪「蜃気楼のように」桃井かおり 


 先週、この、桃井かおり、先週じゃないか。もう随分前だ。放送あったのはいつか知らないんですが、桃井かおりへのラブレターと言う、何かコーナーかなんかあって、それで僕が何かを吹き込みまして。あれはねえ、フジテレビかどっかのスタジオの中で、確か吹き込んだと思うんですが。その、えー、事で、ハガキが来てます。結構。

 埼玉県、Iさん。
甲斐さん、こんばんわ。4月10日月曜日の若いこだまを聞いていたら、突然甲斐さんの声が流れてきたのでびっくりしました。私も、桃井かおりと言う人がすごく好きで、好きな役者と聞かれると、迷わず、ショーケンと桃井かおりと答えるのです。
そうですか。昔はこれに、浜田光夫が入ってました。(笑)古いんだよね。とにかく、桃井かおりはいい。あの人のまわりに漂う不思議ムードも、あのしゃべり方もみんないい。それに、あの人の演じる役って、いつもぴったりしてて、桃井かおりじゃなくちゃ絶対にできない役だと思う。もしかしたら、芝居の中の桃井かおりも、素顔の桃井かおりも、同一人物なんじゃないかと言う気もする。今度1度、甲斐さんに会ってみたいなーなんて言ってたけど、純情可憐な海ちゃんをだましたりしたら、タダではおきませぬ。僕の方がだまされそうな気がするんですが(笑)。

 狂ってるほど、甲斐よしひろのファン、ランさんと言う方から。
えー、ひどい人ね。と、感じで始まってますが。女心をもてあそんで、ひどい。NHKの陰謀だ。桃井かおりのラジオを聞いていたら、ラブカセットなるものが送られ、桃井かおりがバンバン噂を流していた。(笑)バンバン噂を?うん。それで?言葉が私の心にチクチクと突き刺さるのです。もう、安らかな眠りができなくなってしまった。まるで狂った夜です。非常にいかってる人ですが。

 Hさん。
今、桃井さんのDJを聞いていたら、あ、甲斐くんのラブレター。あんまりよ、もう。涙出そう。人が1日10通ハガキを書いて、あなたの声を聞いて1日過ごしているのに、もうイヤ。イヤよもう。
この読み方ってのは、うまく読まなければ。1日過ごしているのに、もうイヤ。イヤよもう。(抑揚つけて、感情入れて読んでる)そう言う感じですね。その辺の男の子と妥協して、ボーイフレンド作っちゃう。つまらん、つまらん、スターなんて。(爆)

 あのーそれで、あれはもう非常に一生懸命、あれは一生懸命書いたんですよ。僕は、台本を一生懸命書きました。それでまあ、桃井かおりの曲かけて、これ、よくナッシュビルであの、今年1月、録音に行ってた時に、ソロLPの。よく聴いてた曲で、桃井かおりのLPだけ、日本人のLPを持って行って、楽しんで聴いてたんですが。
 まあ、あのー、桃井かおりのラブレターじゃないけども、えー、週刊誌の、ある、某雑誌に書かれまして。で、もう、この辺の事は、きちんと言っといた方がいいだろうと思って、まあ言うんだけども、俺が、俺の声できちんと言っておいた方がいいと思うので。あのー、とにかく、あの記事は、少し間違いもあるけども、だいたいあんなもんです。ええ。それで、あのー、何て言うか、俺はやっぱり今までやりたいようにやってきたし、これからもたぶん、ずっとそう行くし。で、その中で、今の俺の世代って言うのに、当然不可欠な問題だしね。ああ言う事ってね。女って言うのは、非常に素敵なもんだし、えー、俺の中に、やっぱり絶対なくちゃいけないもんだから。非常に投げやり的な感じじゃなくてね、僕はいつも一生懸命、女を愛してるし、愛しますしね。えー、酒も一生懸命飲むし、仕事も一生懸命やるし、歌も一生懸命歌うし。やっぱ、その辺だと思うんだよね。俺は言いたいのはそれだけで、とにかく、いつも一生懸命です。僕は。ええ。ロッド・スチュワート、「YOU GOT A NEAVE」。


♪「YOU GOT A NEAVE」ロッド・スチュワート


 長く生きてるって事は、何かがあっても、驚かなくなる事だと思う。小さなつまらない事にでも、たとえば、自分の背中でガタンと言う音がするでしょ。ちっちゃい頃は、ビクっとしてて振り向いたけれど、今は、ああ、あれが落ちたんだなって言うふうにわかってしまうのね。だから、毎日生きていても、驚きがない。私は4月から会社に行っているんだけど、女の人ってすぐ年を取ってしまうの。22才の人だと、もう随分年を取ってるみたいに見える。アダルトって言う意味ではなく、老けてるって言う感じで。もっと年を取った女の人でも、年を重ねて来たって言うより、年寄りって感じがしてしまう。今の私は、まるでガキみたいだけれど、老けた感じにはなりたくない。女の人は、男の人よりずっと長く生きる事ができるけれど、それは年寄りの人生が長いだけで、若い時は少ないみたい。全ての人がそうと言う訳ではないけれど。だから、私は、残りのごく一部の年を、感じさせない人になりたいし、絶対なってやるって、今、そんな気持ちです。
 5月3日のコンサートを楽しみしている、FTさんより。

 えー、そうですね。えー、”たとえば、自分の背中でガタンと言う音がするでしょう。小さい頃はこれはビクっとして振り向いた”って言うとこらへんが、非常にあの、わかります。あのー、いつも思うのは、俺は、金子光晴なんかが好きで、詩人の。それで、あの人、死んじゃって、他人が死んで泣いたのは、僕は、あの人だけなのね。で、あの人が死んだって言うのを聞いた時に、タクシーの中で思わず、ポロポロ、ポロポロ、えー、シートの中で泣いて。生きてるから、当然やっぱり汚れてくる訳だし、いろんなものを身につけて覚えて、いろんなふうにみんな、ひねって考えたり、こねくり回したり、素直になれない部分ってのが、たくさん出てくるんだけども、やっぱり、いつも思うのは、俺がやっぱり、サラリーマン4ヶ月やって、あのー、やめて、歌を歌い出したって言うのは、あの、その辺の部分、これだったら。いつまで経っても飽きないだろうなとか、その、変に年取るんじゃダメだし、この仕事って言うか、歌を歌ってる部分に関して言えば、きっと老けないんじゃないかなみたいな所が、やっぱり僕にはあって、あの、やっぱりこの道を選んだみたいな所があるのね。
 ポール・サイモンの曲を聴いて貰います。あの、ものすごく好きな歌で、「SLIP SLIDEN AWAY」。


♪「SLIP SLIDEN AWAY」ポール・サイモン


 そーっと、そーっと立ち去って行くと言う意味の事を、たぶん歌っているんだろうと思うんだけども。これは非常にこう言う心境と言うのは、僕は近頃あって、なんか、うん、非常に好きな、これは歌なんですけども。
 えー、まあ、週刊誌の記事の事にしても、とにかく、言葉と言うのは、あのー、非常にやっぱり、どっか不安げなものだし、何かこう、頼りないもんだから。やっぱり歌の中で歌ってる事が俺だから。もう、それしかないからね。一生懸命生きてるって事は。あのー、やっぱり歌ってて、歌を書いてる、甲斐よしひろ。えー、それが俺ですから。ええ。そうです。
 今日、非常に何となくこう、さっきからロレツが、あの、悪いのはね、舌をコンサートで、舌をかんでるのね。それでね、何曲か歌ってる時に、なんか、ガンガンってかんで、それで、あの、袖の方に引っ込んだら、非常にこう、わーっと出血をしておりまして、それで、ミック・ジャガーみたいに、いい発音で歌えるかなって、いろいろ冗談で言ったりも
しましたが(笑)。
 えー、とにかく、あのー、たくさんハガキを貰ってます。非常に感謝してます。あのー、全部、目通してますから。あのー、封書って言うのは、もう何か、自流じゃないから(笑)。勝手に言ってるよ。ハガキがねぇ、やっぱり、ナウなヤングだと思うよ。うん。だから、ハガキをドンドンください。あの、たくさん、今、本当に貰ってますが、読み落としがないように、全て読もうと思ってます。えー、宛先を言います。郵便番号150東京都渋谷区神南NHK金曜日若いこだま甲斐よしひろの係り。来週は、あー、待望のゲストを迎え、対談第一段と言う感じで、風吹ジュン選手をお迎えして、楽しくスケベに迫ろうと思ってます。それではみなさん、来週まで。おやすみ。



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