甲斐バンド
LIVE at the 照和

2010年4月10日(土)(19:30開演) LIVE&喫茶 照和


ギター:田中一郎、佐藤英二 ギター&ドラム:松藤英男 ドラム:JAH-RAH
ベース:坂井紀雄 キーボード:前野知常 パーカッション:マック清水 


演奏曲

黒い夏
感触(タッチ)
東京の冷たい壁にもたれて
8日目の朝
きんぽうげ
新宿
裏切りの街角
最後の夜汽車
三つ数えろ
風の中の火のように
漂泊者(アウトロー)
地下室のメロディー
ポップコーンをほおばって
HERO
冷たい愛情

 昨日までの余裕が嘘のようだった。
開場15分前、照和の前に到着。
前日、何度もここへ足を運んだのに、緊張し過ぎて気持ち悪い。
16時の回の外の様子も見たいと思っていたのに、それも無理な状態で、時間までホテルでドキドキしながら休んでた。
前日ライブの椅子席、ステージの高さや客席の位置など、安心する為にどうなってるか聞いておいた。
が、それが逆に緊張につながったみたいだ。
想像するだけで緊張して・・・。
そんな状態で時間を迎えた。
入り口で番号順に並んでいる時、若い子たちが不思議そうに見ていた。
年齢層の高いこの列っていったい何?と言う顔で。
照和の横に「眼鏡市場」があって、大きなヨン様の写真がドーンとあったので、列を見て写真を見て、納得して行く子たちもいた。
違う違う!!違うのよ〜!と言いたかったが、勘違いされたまま行ってしまった〜・・・・。悔しい〜。
 時間になり、階段を下りると、淡い光が・・・。本当にそんな感じ。
階段の途中には甲斐バンドのお花見の懐かしい写真がありました。
 中は狭いんだけど、想像していたよりはちょっと広かった。
聞いてた通り、ステージは半分以上のスペースを占め、座席は横10席程度が3列、その後ろによくライブハウスのオールスタンディングで使うサク、と言うかしきりと言うか、何て言うんだっけ、ストッパーみたいなバー、それがしっかりと置かれていた。
 
 早い番号だったので、椅子席を確保。
あんなに緊張していたのに、もっと緊張するような甲斐さんの前へ行ってしまった・・・。
でも、座ってるうちに落ち着いてきて、壁のサインをじっくり見たり、置かれている楽器を見たりする余裕も。
先日のツアーの静岡で見つけた、甲斐さんの位置のしるしの「K」の文字。
右には一郎の「1」、左には英二さんの「E」、甲斐さんの後ろには松藤さんの「M」の文字。
みんな、両手を広げたら触れてしまう位置。やっぱり狭い!
英二さんの後ろがパーカション、一郎の後ろがドラム、英二さん側の一番後ろにはキーボード。
ベースの坂井さんは・・・きっとどこかの隙間。それくらい狭い。
壁にはブラックライトが当てられていて(LEDライトだったようです)ちょっと目がくらくらした。
天井のちょうどドラムの上あたり、卵の紙パックのようなものが貼られていた!
見た目は卵の紙パックそのもの!防音用のちゃんとした音楽用なんだろうか。
ステージにはギターも並んでいて、一番目についたのがシタール。
あの曲、やるとは思っていたけど、やっぱりやるのね!とニヤリ。
ステージの高さは15センチくらい?
これ以上高くすると、天井に頭がついてしまうからギリギリの高さかな。
それくらい天井が低く、梁が出てる所なんて、気をつけないとぶつけそう。
ドキドキしていると、スタッフがやって来て、モニター用スピーカーに何か貼った。
思わず覗きこむ・・・曲目表だ〜!!
2曲、見ちゃった(>_<)
思いっきり油断して見てしまった。身を乗り出して。
ビックリドッキリの1曲目、知っちゃったよ〜(T_T)
イントロ聞いてキャーって言いたかったのに、曲名見てキャーって言っちゃった。
待ってる間、曲って何か流れてたっけ?全く思い出せないが、きっと流れていて、フェードアウトしたんだと思う。
ジャンゴ・ラインハルトの「マイナースウィング」が流れて来た。
おぉぉぉぉぉ!!!!照和に来たんだ〜!と感動でいっぱいになった。
この曲を選ぶなんてね!もう涙が・・・。
扉が開き、最初に入って来たのは・・・誰だっけ(^-^;舞い上がって思い出せないが、まずはサポートメンバーが入って来て、次に一郎、松藤さんの順で入って来た・・と思う。
そして最後に甲斐さん登場!確かこんな感じだったと思う。
昨日のアコースティックでは一郎と松藤さんは最初から中にいたようで、客席の後ろの方から来たって言ってたな。
1曲目、見てしまった「黒い夏」。
最初、聞こえて来たのはレコードと同じ音。サンプリングって奴ですか?
ガッガッと言うギターの音の後、一郎のギターの生音!かっこいい〜!
カウントを取るように一郎の声が響く。マイクなんか使ってません。生声です。
かっこいい〜!!!
甲斐さんにライトが当たり、歌い始める。
うひょ〜!近い〜!!!!!近すぎる〜!!!!
これは・・・本当に今まで経験のない近さ。
演奏、デカイ〜!耳痛い!甲斐さんの声、演奏にかき消される〜!
昨日のアコースティックで、前が立ったら後ろの人が見えなくなるので、前に座ってる人で立ちたい人は後ろの立ってる人と交代しろと甲斐さんが言っていたと聞いていた。
今日はアコースティックではないけれど、座席の作りは同じ。やっぱり立つことはできない。
誰も立たないし。
だから1曲目からこんなにかっこいい曲なのに、座ったままか・・・。
でも、立ったら目線が甲斐さんと同じになって、とても90分あの近さで聞いてる事なんて出来ない・・。
座っているのもムズムズしたが、これでいいのかも。
下から甲斐さんを見上げる状態。
歌ってる甲斐さんの口の中まで見えてしまう。歯の治療の後まで。
甲斐さんと目が合う。
和らいでいた緊張感が復活し、ドキドキしてしまった。
いけない!このままでは最後までもたない!
甲斐さん、近すぎるんだもん。後ろの前野さん見たり、ジャラ見たり、一郎のキスマークがついたかわいいギターのストラップを見たり、英二さんの手元見たり、坂井さん、そこにいたのね〜と覗いてみたり、落ち着け、落ち着け!と自分と戦っていた。
そんな姿も甲斐さんたちに見られてると思うと、ますます緊張するんだけど。
見てなんかいないのにね。見られてる〜って感じてしまうくらい近いから・・・。
2曲目「感触(タッチ)」。演奏の音、相変わらず大きい。
甲斐さん、イヤモニつけてるけど音がとれないみたいで、ずっと音が外れてた。
やっぱり近すぎて演奏が大きいのが原因?
ニューバージョンの♪タ〜ッチが1個多いバージョンではなく、オリジナルバージョン。
これもこだわりかも知れない。そう思いながらやっぱりニヤリ。
曲目を知ってしまったのはここまで。次の曲が私にとっての今日初めての1曲目みたいなもの。
東京の冷たい壁にもたれて」。イントロのベースが聞こえて来た時は鳥肌が立ちました。
やっぱり曲目知らないと嬉しさ倍増!
まあ、この曲もタッチも、セイヤングでかけたからやるだろうと思っていたけど。
3曲終わった所で甲斐さんが後ろ向いて叫ぶ。
「デカイ〜!チョーデカイ!」。
演奏、やっぱりでかすぎて聞こえないんだ!
私も3曲でもう耳がキンキンしてる。
「これはやった事があるかな〜」と言って歌ったのが「8日目の朝」。
やった事、あるよね。
マックのカウベルが響く「きんぽうげ」。
いい音〜!カウベル、大好き!!あの音が入ってるだけでゾクゾクする。
マイクスタンドを蹴らない、蹴れない、きんぽうげです。
MCはそんなに長くなかったが、3〜4曲歌った後、曲間に少し話していた。
「4時の部とは明らかに客の雰囲気が違う。どこかで一杯入れてきただろう、ふざけるな」って笑って言われた。
そんな飲んできた雰囲気に見えた?実際、飲んで来た人、多かったりして。
私はご飯さえ食べられないくらい緊張していて、ましてお酒なんて一滴も飲んでないのに〜。
今回は博多をちりばめた選曲になっている。
”東京の一夜”は博多に向けて歌ってるように聞こえるが実は全然違う。
詞の意味が時間の経過でわかる、こんな事に気付く為に照和に来たわけじゃないが、と言っていた。
書いた本人でも後で気付いたりするんだ。
照和に久しぶりに立って、いろいろ思い出したと言っていた。具体的な事は話してなかったけど。
新宿」。この曲あたりでやっと落ち着いて来て、曲もじっくり聞ける体勢になった。
落ち着いた為、お行儀よくなっちゃったみたいで、甲斐さんには「真面目に聞かなくていいんだよ」って言われてしまった。
「興奮する、立つ、歌うと言うのは一緒で、座ると手が・・・・」と甲斐さんに言われた。
そうなんです。気が付くとひざの上に両手をきっちり合わせて聞いちゃう(^-^;
だって〜。そうなっちゃうんだもん。
 やっぱりこの曲は松藤のドラムで・・・と「裏切りの街角」。
照和で聞く、裏切りの街角。スペシャルな気分だった。胸にキューっと来る。
暑そうな松藤さん。でもドラムの下あたりから風が来ていた。
松藤さんが叩いたのは1曲だけ。すぐにジャラと交代。
その間、照和で演奏していた海援隊やチューリップの話し、千葉さんの妹と松藤さんが付き合っていたといつもの話をする甲斐さんに「またするか」と言う顔の松藤さん。
ARB、またやればいいのに、絶対聞きに行くのにと一郎を困らせ、「この後、バラードなのにごめんね、松藤」と松藤さんになぜか謝る甲斐さん。
4時の回でもこんな流れになってしまったらしい。
謝っておきながら「ドラム移動の間を埋めようと話してるんだから、早く代わりなよ〜」と勝手です。
「さっさと代わってるよ」と松藤さんが言う。
いろいろ話した後、松藤さんの気持ちの整理がつけば・・・と甲斐さんが言った後、聞こえてきたのは「最後の夜汽車」。
そうか、松藤さんがキーボード弾くから謝ったり、気持ちの整理がつけばって言ってたんだ〜。
ドラム叩いた後、移動してキーボート。この流れなのに、MCで笑わせちゃってごめんね、って事だったのね。
松藤さんが弾いていたのは、ピアニカみたいな小さなキーボードだった。
三つ数えろ」。最初、ドラムから始まったので何の曲?と思ったが、聞きなれたギターが聞こえてきた。
甲斐さんはマイクを手に持ち、ステージギリギリまで来てダンスしながら歌う。
近いのにさらに近い・・・・。上から甲斐さんが降ってくるんじゃないかと思わず体がのけぞる。
甲斐さん、汗びっしょり。一郎も暑そう。
歌いながらシャツのボタンをはずす甲斐さん。
まずは右の袖、次は左の袖、そして首・・・と言う風に少しずつ。
シャツも脱ぎそうで脱がない。チラっと見せてまた着る。
甲斐さんっていつもそうだよね。
それを近くで見てると何だか色っぽい。
甲斐さんの手を見る。白くて綺麗。指はやっぱり太いけど(^-^;
手相も見えそう。大エロ線やお笑い線、見えないかな〜と思わず手を覗き込んでしまった。見えなかった。
風の中の火のように」。なぜKAIFIVE?と思った。でも個人的には前に福岡ドームライブの後にここに来ているので、思い出に結びつき、ちょっと嬉しかった。
たぶん、この曲が歌われた理由は他にちゃんとあるんだろうけど。
漂泊者(アウトロー)」。狭いこのステージでも大きなステージと変わらぬ迫力で歌う甲斐さん。
♪爆発〜でいつものようにしゃがみこんだらどうしよう・・って思ったけど、やっぱりね、やりませんでした。
あんなに手が届くような近い所でしゃがみこまれたら・・・・。
汗こそ飛んでは来ないが、後ろからライトが当たると甲斐さんのツバがペッペッペッペと飛んでくるのが見える。
地下室のメロディー」。あのシタールでのイントロ。
この曲を聞く時は、いつも照和を想像して聞いていた。
これからは本物の照和を思い出して聞く事になる。
胸いっぱいでした。照和で地下室のメロディーを聞けるなんて。
そして、ピアノから始まった「ポップコーンをほおばって」。
まさか?照和だから、優勝した時に歌った元歌を披露?
と期待したけど、普通のポップコーンでした。
ピアノの後、マックのパーカッションを期待したんだけどね。
でも、この曲もここで聞けて嬉しかった。
狭い会場なので、一郎のグルグルはないし、甲斐さんもギターを弾いてなかった。
拳を上げたら甲斐さんを殴ってしまいそうな距離なので、それも我慢しました。
HERO」。前野さんはいつものように一番後ろで拳を上げてくれていたけど、やっぱり甲斐さんにぶつかりそうなのでやりませんでした(+o+)
そして「冷たい愛情」。うわぁ・・・・。この曲が来たか・・・・。
サングラスをやっと外した甲斐さん。
♪ある晩おふくろが・・・・ここの歌詞に来た時には、我慢していた涙があふれてしまった。
この近さで泣いたら、絶対甲斐さんたちにバレる。
そう思って、がんばっていたのに、頬を流れてしまった。
優しく弾く一郎のギターが胸にしみる。
冷たい愛情が最後の曲だった。
普通ならここからアンコールなのに。
最後は全員が一列に並んで挨拶。
こんな距離で〜!!!も〜、倒れそうだよ〜。
狭いステージ、もう横はギリギリ。
丁寧に挨拶をした後、みんなゾロゾロと階段を上がって行った。
「以上を持ちまして今日の・・・」と言うアナウンスが流れ、あっと言う間のライブは終了した。

 メンバー紹介の時、英二さんが手を上げると、天井にあった空調に手が届き、ボコボコ上に上げていた。
そんな天井の低さでした。
 甲斐さんは、初日のアンプラグドは3人でもよかったんだけど、3曲以上だと弾きたくなくなるので、、英二さんとマックに聞いたら行くと答えが帰ってきて5人になったと言っていた。
 照和でやる事はもう一生ないと言っていた。
君たちはこの距離を一生焼きつけて行けと言われました。
一生焼きつきますよ、もちろん。
サインして貰ったり握手して貰ったり、一瞬接近する事はあっても、そんな近い距離で90分も歌ってくれるなんて!!
甲斐さんはしっかり私の目を見て歌ってくれた。
ホールでの勘違いとは違う。あの距離だから間違いない!
今、思い出しても夢だったんじゃないかってくらい、本当に幸せな時間だった。
甲斐さんの声も歌も好きだけど、やっぱり甲斐さん本人が大好きなんだな〜と改めて再認識した夜でした。

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