いしがきミュージックフェスティバル ’09

出演 甲斐バンド

2009年9月12日(土)教育会館ステージ(岩手県盛岡市)

  このイベントが発表になった時は、まだ甲斐バンドツアーが発表される前で、出演も甲斐さんのソロかと思われていた。
甲斐バンドとしての出演と聞いて、さらに楽しみになった。
 
 9月の岩手は寒いんだろうか・・・・。
寒さ対策をバッチリして行ったが、盛岡に降り立ってみると・・・天気もいいし、暖かい。

到着はイベント前日。ホテルでチェックインを済ませ、まずは会場を下見。
教育会館はすぐ見つかったものの、告知するものは一切貼られていなかった。
すぐ目の前の教育会館前ステージには、ノボリやタイムテーブルがあったのに。
ここでいいのよね・・・と少々不安ながらも、明日は見られない、野外のメインステージへ。

 時間は夕方4時頃だったと思うけど、たぶん完成してたんだろうな、人もあまりいなく、マイクチェックの声が静かにこだましていた。
人がいないと小さく感じる会場。
タイムテーブルを見ると、3時過ぎに「スペシャルゲスト」の文字を見つける。
スペシャルって誰だろうね、とあまり気にも留めず友達とさらっと会話しながら、公園を一回りしてからわんこそばを食べ、明日早いのではホテルへ戻った。
タイミング良く、テレビで1回だけこのフェスのCMを見た。

 翌日、空は曇り。夕方、雨も降るらしい。寒い・・・・。本当に寒い。
半袖の上に長袖を重ね着し、教育会館へ。
寒いので、使わないだろうと思いながらも持って行ったホカロンをお腹に貼った。
まだ何のポスターも貼られていない。
閉まっている入り口の中に、掃除のおばちゃんが「見に来たの?誰を?・・・甲斐バンド?」と話しかけてきた。
「うん。甲斐バンド、おばちゃん知ってるの?」と聞くと、私たちがいくつに見えたのか、「甲斐バンドは私たちの世代だよ。」とおばちゃん。
甲斐バンドを知っててくれただけで嬉しかったのに、その後も、掃除の合間にたくさん話しかけてくれて、会館のトイレは開館後じゃないと使えないからと、親切にトイレの場所まで教えてくれた。
トイレは公園か、ちょっと離れたお店まで行かなくちゃいけないと思っていたので助かった。
ありがとう〜、おばちゃん!!

 待ってる間、地元の方々とも話をした。
盛岡に甲斐バンドが来たのは、86年の解散前の事で、20年以上振りらしい!
だからみんな、とっても楽しみにしている様子。
前日、FMに生出演して告知したらしく、それを聞いて来たと言う人もいた。
ラジオに出たの〜!?盛岡にいたのになぁ・・・。
Kメールのお知らせがあれば聞けたかも?残念。
でも、ラジオでの告知ってやっぱり大事なんだな〜と思った。
 
 午前9時過ぎ、やっとタイムテーブルが貼られる。
それぞれ30分。転換に20分・・・・。1時間を期待してたけど、仕方ないか。無料だし・・・・。
会場前に出来た列は、私たちと同世代ばかり。
甲斐バンドの前に若いバンドが4組も出るのに、若い人が全然いない。
今時のファンは並んだりしないのかなぁ。
若者には負けられない!と気合いたっぷりだったのに、何か拍子抜け。
 寒さに震え、友達や地元の方々とおしゃべりしながら、開演30分前の2時半に会場入り。
真ん中よりちょっとだけ左(まあほとんど、ど真ん中、ですが)スペシャルポジションを確保。
客の入りは半分程度。まあ、こんなものなのかな。
席でまったりしながら待っていると、後ろの席に息を切らして大騒ぎで入ってくる人がいた。
聞くと、今、野外のメインステージで甲斐バンドが演奏していると言う!!
えーーーーー!そんな〜!
昨日見たタイムテーブルのスペシャルゲストが甲斐バンドだったとこの時知る。
たとえ、事前に知っていたとしても、座席確保の為に移動はできなかったけど、悔しい〜!
演奏曲は、安奈、翼あるもの、HERO。そうか〜。
この後の曲はこれに1〜2曲追加した感じか?
 さて。
外での待ち時間で体力を使ってしまったので、この後、甲斐バンドまで後は体力温存させてもらいます、ごめんなさい、他のバンドのみなさん・・・・と申し訳なく座って後ろを振り返ると、誰も立っていない。
みんな、甲斐バンド待ちだったか(^-^;
ちょっと年齢層の高い客層が座席に座ったままの状態で若い力溢れるステージが始まった。
ボーカルのスピーカー、音が悪い・・・。
ボーカルが全く聞こえない。ただの雑音にしか・・・。
ステージの横幅がものすごく広く、その端にスピーカーが置いてあるので声が遠いしクリアーじゃない。
ギターのモニターが目の前にあるために、ギターの音だけが爆音として直接耳に届く。
野外だったら音も分散するんだろうけど・・・。
頭を振り乱し、視線の定まらない状態で演奏し、歌う人たち。
全てが爆音で、楽しめないまま終わってしまった。
ただ、2組目の「踊ろうマチルダ」と言うバンドはアコースティックで、ボーカルも特徴のある声で歌詞もよく聞こえ、聞いてて楽しかった。
 甲斐バンドの時間が迫ってくると、荷物を置いての席の確保はするな、撤去します、のアナウンスが頻繁に流れる。
人数を数えてるのか、スタッフも忙しそうに会場内を行ったり来たり。
始まった時よりも客席が埋まって来ているな〜と思ってはいたけど、気が付くとどんどん人が入って来て後ろも横も立ち見でいっぱい!!
実は、客席はきっと若い人たちに埋め尽くされ、甲斐バンドになったらみんな帰ってしまうんじゃないかって心配してた。
そんな心配は全然必要なかった。
ステージでは、いつもの甲斐さんのスタッフがセッティングを始めた。
他のバンドはベースやギターが横のステージいっぱいに広がっていて、それぞれの間隔が広くて、バランス悪いままの位置でみんなやってたんだけど、そこは甲斐スタッフ、間隔を詰めていつものバランスにセッティング。さすが〜!(当然か)
端にあるスピーカーももう少し内側にしてくれたら・・・。やっぱりそれは無理でした。
 椅子とマイクが3つ。両サイドにはギター。
真ん中の甲斐さんの所にはギターがない。最初から立って歌うようだ。
時間ぴったり、松藤さん、一郎が登場。大歓声。
二人とも、先日、甲斐バンド復活会見をした時と同じギター。
ちょっと時間を置いて、サングラスをした甲斐さんが登場。再び大歓声!!
甲斐さんは復活会見の時と同じ衣装。胸には赤いチーフ。
一郎も松藤さんも黒っぽい衣装で、松藤さんはサングラスを、一郎は赤いラメ入りのスカーフを巻いてました。
さらに会場はものすごい歓声につつまれた!
 1曲目は「安奈」。
全員座ったまま聞くが、歓声はすごい。
始まる前に後ろの方に立つかどうか聞いたら、「え?」と言われ、「立っていいですよ。」とは言われたけど、後ろの方が立たないなら悪いのでとりあえず座って聞いてました。
1番を歌い終わると大拍手で、普段しない場所での拍手がすごく多かった。
久しぶりに近い距離での甲斐さんに見とれる見とれる・・・。
いつも聞こえる松藤さんのカウントを取る靴の音だけではなく、甲斐さんの足音まで聞こえる。
前足を上げてコツコツコツ、後ろ足をコツコツ・・・。
ブーツのファスナー、下がってるよ〜。
そんな所まで見える。そう、全身しっかり見えるのよ〜♪
顔がツヤッツヤ。相変わらず綺麗なお肌〜。
今日はお酒飲んでないみたいね。顔が赤くない。
安奈を歌い終わった頃、ようやく会場も落ち着いた感じ。
「甲斐バンドです。」と甲斐さんが言うと、大きな拍手。
「少し、ほぐさないといけないと思ったけど、そんな必要ないね。」と甲斐さん。
甲斐さんもこの盛り上がりを想像してなかったのかなぁ。
2曲目「漂泊者(アウトロー)」。
待ってましたとばかり、会場の全員立ち上がる!
よかった〜、これで座ってたら消化不良だよ〜!
始まる前に「立っていいですか」なんてわざわざ聞いた私が恥ずかしい〜。
「愛をくれ〜よ〜」と大合唱。
甲斐さんのマイクは会館で用意されたコード付きのもの。
コードがとっても邪魔なようで、マイクスタンドに絡むコードにはちょっと苦戦してた。
でも冷静にスタンドの下を見て、歌いながらほぐしていく甲斐さん。
無理やり引っ張ったらコード抜けちゃうもんね。
絡んでたコードがようやく取れると、マイクが甲斐さんの口元にガンッ!
軽〜くぶつかったように見えたが、実際はぶつかってたのかどうか。ちょっとドキっとした。
アウトローやったら、当然立ち上がるでしょ?普通。
なのに甲斐さんと来たら「何で2曲目で立ってるの。バーカ」と笑いながら言う。
3曲目が「ブルー・レター」だったから。
それは仕方ないでしょ〜。甲斐さんのせいよ〜。
先にブルーレターだったらアウトローで立ったと思うけど。
でも、「バーカ」と言う甲斐さんの顔はとっても嬉しそうでした。
最後の曲は「HERO」。
「ヒーローをやりましょう」と甲斐さんが言うと、客席からは歓声が上がった。
20年以上振りに聞くヒーロー、そんな人もたくさんいたと思うので、あの歓声は本物だ〜と思った。
邪魔だったコードもこの曲では活用。コード持ってマイクをくるり。
割れんばかりの大合唱で、大盛り上がりでした。
大歓声を背に、「来年また会いましょう」と甲斐さんは言って去っていった。
アンコールの声。
客電がなかなかつかないので、きっとアンコールがあるんだと諦めずにコールしてました。
それに、さっき聞いた野外では「翼あるもの」をやったと言っていたので、きっとアンコールでやるんだと疑わず、ずっと待っていたら、突然客電がついた。
「えーーーーー!?」と言う驚きの声。
甲斐コールはさらに大きくなる。
関係者が、「これで終わりです」と肉声で叫んでる。
マイク使ったアナウンスじゃなくちゃ〜・・・ねぇ〜。
やっとマイクでアナウンスされ、帰り出す客だち。
あっと言う間の30分。時間通りの30分。
甲斐さんが少しMCを短くしてくれたら、もう1曲出来たのにね。
 
 甲斐さんは、会場に入れなかった200人がロビーにいて、音だけ聞いていると言っていた。
うっそ〜、本当なの〜?私には信じられなかったが、それは本当のようだった。
「無料だとこんなに集まるんだ」と甲斐さんは言っていたが、来年ある盛岡でのコンサートチラシを見て、やっぱりチケット代が高いと言ってる人もいたので、ちょっと心配ですね。
甲斐さんも心配なのか、ツアーではこのメンバーだけではなく、フルバンドで大所帯で来ますから、と言ってましたね。
若いバンドを見て、自分たちも本当はあれくらい暴れられると笑わせていた。
来月出るアルバムの事も話していて、タイトルが「目線を上げろ」だと言っていた。
それに決まったようです。

 外に出ると雨でした。
長い1日だったけど、充実した1日でした。
距離が近すぎるため、甲斐さんばかり見てしまった。
私にしては珍しい事です。
目の前に松藤さんもいるのに・・・・。
まあ、こんな日もあっていいかな。
 翌日、ホテルで全ての新聞をチェックしたが、地元の若者の記事がメインで、甲斐バンドの事は一切触れられてなかった。
地元バンドもいっぱい出ているイベントだし、甲斐バンドで盛り上がったなんて書けないのは当然かな。
全ての会場を合わせると、2万人を集めたそうだ。

行ってよかった。本当にそう思える素敵なライブでした。

安奈
漂泊者(アウトロー)
BLUE LETTER
HERO(ヒーローになる時、それは今)