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甲斐バンド BEATNIK TOUR 08−09 |
ギター:田中一郎、佐藤英二 ドラム:松藤英男、JAH-RAH ベース:坂井紀雄 キーボード:前野知常 パーカッション:マック清水 SAX:徳広裕 |
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本当にこれで最後なのかなぁ・・・。(全然信じてない私) テレビ局の取材もたくさん来ていたし、ホールツアーとは違う雰囲気。 甲斐バンドのサポートメンバーも久しぶりに集結したように、これが最後と思って解散以降遠ざかってたファンたちも集結したんだろうな。 緊張感を持ちつつ会場の中へ。 私はプレミアムシートにハズレただけではなく、悔しい事に1階のスタンド西2列目。 ファンクラブになってから、初めてアリーナを逃した。 座席としてはステージには近いし、視界を遮るものが全くない為、最高に見やすい席なんだろうけど、やっぱりアリーナで一体感を味わいたかった。 実際、席に座って見ると、会場全体を見渡せて、ステージにもすごく近い良席でしたが。 上から見るアリーナ。あそこがプレミアムシートなのね、とはっきりわかる。 今回はWOWOWが入ってる為に、ステージ下の最前列の前にはレールが敷かれて有人カメラが動くようになっていたけど、プレミアムシートの前だけはレールが途切れ、目の前をカメラが行き来できないようになっていた。 ステージの真下にちょっと小さな無人カメラが自動で左右に動くだけ。 左端にはクレーンカメラ。 高いお金を取るプレミアムシート対策はバッチリだな〜と感心した。(当然か) 天井には四方にKaiBandの文字が浮かびあがっている。 客席にはステージ上から赤、黄、緑のライトがあたっていた。 大人な甲斐バンドファンはおとなしくその時を待っている。 ちょっと静かだな〜と思っていたら、早くしろよ〜的な声がちょっと聞こえて来た。 そんな人もいるよね、やっぱり。 始まってからもいろいろ文句言われるのは困るけど、待ちきれず発せられる声だから今は仕方ない。 まあ、そんな心配は全くなく、徐々に会場も暖まって来て、みんな待ちきれないとばかりに手拍子。 そうそう、こうでなくちゃ。 奇声をあげてた人たちもさらにヒートアップしてきたが、会場に陽気な曲が流れると武道館は大歓声に包まれ、奇声はかき消された! 「25時の追跡」じゃないんだ! 天井のKaiBandの文字がグルグル回る!新潟で見たグルグルと同じ!!! メンバーが次々とステージに上がる。 松藤さんが・・あれ?ドラム?1曲目から? ドキドキしていると聞こえてきたイントロは「きんぽうげ」だ!!! うわ〜!これで来たか〜! しかも、松藤さんのドラムできんぽうげだよ!!最高じゃない! 希望としてはもう少しイントロ長くてもよかったんじゃない?(いつもよりは長いけど意外と短かった) そんな興奮の中、甲斐さんが登場! 当然マイクを蹴り上げ、歌い出す。 しびれましたね〜、本当。みんなも素敵だ〜!! |
1曲目からドラムを叩いた松藤さん、早くも2曲目はドラムを降りました。 最後までがんばって叩いてもらいたいもんね、仕方ないか。 「感触(タッチ)」。ここからはホールツアーの流れと同じ。 「ガラスの動物園のテーマ」「らせん階段」。 「サンキュー、甲斐バンドです。」 甲斐さんのこのセリフも今日が聞き納めなのか・・・・。 ソロライブで「甲斐よしひろです」とは言わないだろうし。 「ナイト・ウエイヴ」。前野さんのキーボードと徳広さんのサックスが気持ちよく絡み合う。 間奏での松藤さんの指差し確認もこれで最後・・・ってこんな事ばかり考えて聞いていた。 最後なんだから目に焼き付けなくちゃ、とステージの隅から隅までじっくり見ながら。 「シーズン」。ちょっと前半甲斐さんの音程が??? 私の席からは甲斐さんの右耳しか見えないので、左耳にイヤモニが入ってるのかがわからなかったけど、腰にモニターが付いてたのでまたイヤモニトラブル?と少しドキドキしてしまった。 翌日のワイドショーを見たらしっかり左耳に入ってました。 でも後半はしっかり音が取れたようでほっとしました。 「ビューティフル・エネルギー」。松藤さんのボーカル、いつになく力が入ってるように聞こえました〜。 天井を照らすカラフルな照明が相変わらず綺麗。 松藤さんは再びドラムへ。「カーテン」だ!! ピンクの照明がなまめかしい。 一郎と英二さんのギター、回を重ねるごとによくなっていて、この日も最高でした。 息がぴったり。ずーっと聞いていたい。 「シネマ・クラブ」。全ての会場で演奏されなかった曲。 私は6回行った中で3回聞けた。今回で4回目。 間奏でマイクスタンドを持ったままグルグル回る甲斐さん、今回も回った?なぜか記憶がない。 私はその時、どこを見てたんだろう・・・・。きっと回ってたはずだけど。 ”甲斐バンドとして確立したナンバー”の「裏切りの街角」。 短いイントロ(これが正しいイントロなんだけど)にもやっと慣れたのにね(^-^; ここでサポートメンバーが下がり、甲斐バンドの3人が並んで椅子に座り、短いMCが始まる。 「みんな、丸くなったよね〜、昔は中継が入ると張りきりってた」みたいな事を言っていた。 その言葉、そのまま甲斐さんにお返しします〜って言いたい気分。 みんな普通に楽しんでる事が甲斐さんも嬉しかったんだろうな。 演奏してるみんなが、そして甲斐さんが楽しんでるからこそ私たちも素直に楽しんでるんだよ。 ネットの話しもしてました。 松藤さんはステラボールでドラムを叩かずにネットで叩かれたと(^-^;うまいっ!(どこかでも言ってたな) いろんな書き込みをされてるのも知ってるけど、全然気にならないとも言っていた。 そうなんだ・・・じゃないとやってられないものね。 駅待ち、入待ちの話もしてました。この年代で駅待ちはすごいと。 出待ちはわかるが、来る時間がわからない駅待ちや入待ちがいて、相変わらず半径5メートル以内には近寄らない。 日常生活、どうなってんだ?って、心配してくれてましたね(^-^; 甲斐バンドメンバーだけでアコースティックライブでしか演奏していない「かりそめのスウィング」。 一郎と松藤さんのギターはやっぱりすごいですね。 「松藤さんの真価を発揮する時が・・・」みたいな事を甲斐さんは言っていたけど本当にそう。 完全アコギの甲斐バンドライブ、聞いてみたいなぁ・・・。 サポートメンバーが再びステージへ、松藤さんと一郎も定位置に戻る。 暗いステージの上、 「安奈」と「嵐の季節」のイントロは英二さんじゃないと・・・・と甲斐さんが言うと、英二さんにピンスポットが! その後、一瞬の沈黙!え〜?こんな雰囲気で弾かせるの〜? すると甲斐さんが「スポット当たった後じゃ弾きづらいよね」みたいな事を言うと、英二さんは涼しい顔で「いいよ」と一言。 英二さん側にいた私には、その声がしっかり聞こえました。 そんなに気にしてないようで普通に「安奈」が始まった。 そしてその後も英二さんのギターから始まる「嵐の季節」。 1万人の大合唱と振り上げる拳。上から見ていて鳥肌が立ちました。 スタンドもいいもんだな〜とその時思った。 マックのパーカッション。「地下室のメロディー」。 「氷のくちびる」。甲斐さんと一郎にグリーンと赤のスポット。 パーカッションを挟み「ポップコーンをほおばって」。 一郎が腕をグルグル回してギターを弾く。 前日、スカパーで放送された甲斐バンド特集で、たまたまポップコーンが流れ、大森さんがグルグル腕を回してギターを弾いているシーンが流れてビックリ! そうか・・・大森さんも回してたんだ・・・・・・。 見ていて思わず泣いてしまったんだけど、それを思い出し、また泣いてしまった。 マックが気のせいか、いつもよりアクションが大きい気がした。力強いパーカッション。 「翼あるもの」「漂泊者(アウトロー)」。私のいるスタンドにもいっぱい来てくれた。 「今夜はみんな、最高です」。甲斐さんが褒めてくれた。高崎に続き2回目だ。嬉しい。 「LADY」のイントロに合わせ、甲斐さんは胸にぐっと来る話をしてくれた・・・・が、実は私、自分で曲を書くようになったと言う話しの意味が最初わからなかった。(せっかくのいい話し、ごめんなさ〜い) 後半はちゃんと理解できたんだけど。ぼーっとしてたのかな。 後で友達に聞いたり、ワイドショーでの会見でようやく意味がわかった。 「自分が書いて欲しいと思うような曲を誰も書いてくれなかったから自分で書くようになり、歌い方も声も全て自分の形で生きてきた。 みんなここまで生きてきて自分のスタイルになってるんだから誇りを持って欲しい。 目線を下げず、目線を上げろ。 バンドは無くなっても曲は残る。僕らは35年目を生きていきます」。 こんな感じだったようです。 「僕らは35年目を生きていきます。」この言葉だけで私は感動して、LADYはずっと泣きながら聞いてました。 松藤さんのアコギと英二さんの優しいギターが胸を打つ・・・・。 「HERO」で一気にまた盛り上がる。が!!!甲斐さん、絶対この曲はテレビで流れるのに、つまづいちゃった〜!(しっかりテレビで放送されてました) 転ばなかっただけよかったが、スタンドに来た後、後ろを気にしながら中央に戻って行く姿はちょっとかわいかった。 アンコール1 客席のみなさん、お疲れの様子。 最初は静かだったので、きっと喉を潤したり座って休んだりしてたんでしょうね。 でも、すぐに甲斐コールが始まり、その声も大きくなっていった。 私もお茶を飲んでほっと一息。(でも決して座りません) バラバラの甲斐コールが少しずつまとまりかけた頃、風の音が聞こえて来た。 ん?もしかしてアンコール1曲目は「無法者の愛」?なんて思っていたら、会場が暗くなり、上からスクリーンが下がってきた。 何が始まるの?とドキドキしていたら聞こえて来たのはなんと「25時の追跡」のイントロ。 スクリーンに映っているのは・・・・大森さんだった。 黒澤フィルムスタジオで演奏された映像。 つい先日、発売されたDVDの映像で、家で見て号泣した場面だった。 言葉も出ない。出るのは涙ばかり。 突然の事で倒れそうになる。本当に倒れるかと思った。 みんな、「大森〜」と叫びながら曲に合わせて手拍子してる。 私は手拍子なんてとんでもない、出来なかった。 タオルで口を押さえないと泣き声が出そうなくらいだった。 最後の方にはDVD映像にはない大森さんの姿があった。見たことのないシーン。 大森さんは笑ってる。素敵な笑顔。その笑顔でまた倒れそうになった。 演奏が終わるとステージ右に置かれたギターにスポットが当たった。 きっと、大森さんのギターだろう。(私からは遠すぎた〜・・・) ギターが正面を向いていたため、私の位置からは横しか見えず、何のギターかははっきり見えなかったが、335のようでした。 後から聞いた話だと、スクリーンが下りる前にギターはすでにその位置に運ばれていたらしい。 まだアンコール前なのに、こんなに泣かせてどうするの〜。 「大森さん、ありがとう〜」。たくさんの人がそう叫んでいた。 スクリーンが上がり、聞こえて来たのはバイクのエンジン音。 「胸いっぱいの愛」だ。こんな状況でこんな元気な歌、歌えない〜!なんて思いながらも、大声で歌った。 涙は止まらない。涙でにじんでステージなんか全く見えなかった。 結局1曲まるごと泣きながら歌った。泣きながら「GOー!」と拳を上げて。 「張り裂けんばかりの、声にもなりゃしない」でした。本当に。 涙を引きずりながらも聞こえて来たイントロに興奮。 「テレフォン・ノイローゼ」だ〜!!バンドバージョン久しぶり〜♪ この曲のおかげで元気が戻ってきた。 松藤さんのドラムでテレフォンノイローゼ。きんぽうげの次に嬉しかった。 メンバー紹介。坂井さん、前野さん・・・といつもの順番で紹介していき、ジャラを「ジェロ」とか「ジョモ」とか言いながらおちゃらけて、最後には松藤さんの紹介を忘れ、「しょうがない」といいながら紹介。 わざとだと思ったら、本気で忘れたらしい。 松藤さんはドラムセットから降りてきて、丁寧に挨拶してくれた。 会場からも大きな声援。 「観覧車’82」。徳広さんがマックの横から降りてきて、英二さんの隣でサックスを吹いていた。 カラーのライトもやっぱり綺麗。 アンコール2 「破れたハートを売り物に」「ラブ・マイナス・ゼロ」。 1986年に解散した後、この2曲を聞くのが辛くなった。 その時の事を少し思い出しながら、でも今回は楽しみながら聞いていた。 「サンキュー、じゃあね」はちょっと聞きすぎた気もするが(^-^; 「街灯」「100万$ナイト」。 うわ〜・・・・とうとうこの時が来たか・・・・。 振り絞るように歌う甲斐さんと、全身で叩く松藤さん、優しく悲しいフレーズを弾く一郎・・・・。 最後の曲。 3人の甲斐バンド。 ミラーボール。 ・・・涙が止まらない。 放心状態の甲斐さん。 しかし、演奏が終わるとすぐ、会場には「熱狂(ステージ)」が流れる!! うあーーーーー!!!そんなぁ〜。この曲が流れちゃうなんて・・・。 ステージではみんなが一列に並び、最後の挨拶。 丁寧に一人一人抱き合ってる〜!! その光景を見て、さらに泣けてきた。 サポートメンバーが1人ずつ下がり、ステージには甲斐バンドの3人だけ。 大きな声援と拍手。 「ありがとう〜」の声。 感動的でした。 3人もいなくなり、空っぽのステージ。 ちょうど「熱狂(ステージ)」は、♪終わりを告げるアナウンスそれをかき消す嵐の声・・・だった。 終わりを告げるアナウンスはまだ流れてなかったし、冷たい雨も降ってなかった。(感動しながらも心の中で歌につっこみ) そこから、1万人の大合唱。 もちろん私も泣きながら、大きな声で歌いました。 会場がひとつになった。 CDが終わると会場からは大きな拍手。 この大合唱のおかげで、全員納得して素直に帰る事ができたように思う。 もし、アヴェ・マリアが流れていたらきっと、あるはずのない3回目のアンコールを期待して、みんな、叫び続けていたかも知れない。 綺麗な終わりでよかった、本当によかった。 外に出ると、ミラーボールのおまけはなかったけど、WOWOWの放送予告とDVD発売の広告が配布されていた。 武道館グッズの紫のマフラータオルは売り切れていたそうだ。(最初に買ってよかった〜) 今回の甲斐さんの衣装はワイドショーでいっぱい流れたのであえて書きませんでした。 ただ、最近着ていたえんじ色のジャケットの裏地が黄緑色で派手だった事と、ジャケットの袖の折り返しが豹柄だった事、一郎の太いボーダーのシャツが結構すごかった事、これだけは書いておきます(#^.^#) こんなに泣いたライブは久しぶり。 ホールツアーも会場によってそれぞれみんな違ったし、締めの武道館はもう完璧で、早く映像が観たいです。 これが最後と言われると辛いけど、甲斐さんの言う通り、バンドはなくなっても曲は残る。 甲斐さんはずっと歌い続けてくれる。 それだけで私はこの先も生きていける。 だからお願い。 甲斐さん、長生きしてください。 本気でいつもそう思っています。 |