甲斐バンド BEATNIK TOUR 08−09
−THE ONE NIGHT STAND−

2008年10月4日(土) 大宮ソニックシティ


ギター:田中一郎、佐藤英二 ドラム:松藤英男、JAH-RAH ベース:坂井紀雄 
キーボード:前野知常 パーカッション:マック清水 ゲストSAX:徳広裕

演奏曲
SE 25時の追跡

胸いっぱいの愛
感触(タッチ)
ガラスの動物園のテーマ
らせん階段
ナイト・ウエイヴ
シーズン
ビューティフル・エネルギー
カーテン
裏切りの街角
安奈
嵐の季節
地下室のメロディー
氷のくちびる
ポップコーンをほおばって
翼あるもの
LADY
HERO

アンコール1
漂泊者(アウトロー)
きんぽうげ
観覧車’82*

アンコール2
破れたハートを売り物に
ラヴ・マイナス・ゼロ*
街路
100万$ナイト

(*徳広裕)

 甲斐バンドツアー、いよいよ始まっちゃいました
いろんな人の思いを背負って、甲斐バンドが最後のステージに立つ。そんな感じがしています。
それだけに緊張感漂うステージになるだろう、と始まる前から予想はしていたけど、予想以上の緊張感でした。
いろんなファンサイトを見てみると、不満不平がチラホラ書かれていますね。
後半、確かに甲斐さんの機嫌は悪かった。
慣れないイヤモニにいらだつ甲斐さん。
それが顔や行動に出るのもいつもの甲斐さん。
昔、私が行ったライブで、途中から甲斐さんが客席に文句を言いだした事があって(内容はちょっと忘れたが、「お前たちが悪い」みたいな事を何度も言ってた)最前列にいて楽しくノリノリだった私は、どんなに考えても理由がわからなかった。
そんなわけもわからず怒られてたライブよりは理由がはっきりしているので、最悪とは思いませんでした。
悔しい思いは残りましたが。
それに、初日の緊張感を味わえるなんて、とってもラッキーだと思う。
トラブルなんてない方がいいに決まってるけど、今年の春の東京のライブなんて、しっかり出来上がっちゃったステージをたった1回しか見ていないので、スムーズにサクッと進行されたって感じで物足りないと言うか・・・。
それはそれで満足の行くライブでしたけど。

 あまりここで「毒」は吐きたくないのですが、レポに入る前に一言吐かせてください。
「甲斐さんよりでかい声で歌うなーーーー!隣のヤツ〜!しかも音が外れて耳障りだ〜!」
・・・はいっ。終わり。失礼しました。
こんなの、今回が初めてじゃないけど、楽しみ方は人それぞれなので文句は言わないようにしてました。
1回くらいは書いてもいいよね。
甲斐さんと一緒に大声で歌えば楽しいけど、ちょっとボリューム下げてくださいね。
やっぱりね、甲斐さんの声が聞きたいのです。
そんな私も若かりし10代の頃は悲鳴のような歓声をあげていたので(きっとこれもうるさく感じてた人はいたはず)文句を言えた義理ではありませんが・・。
 初日なので、グッズ売り場は大変だろうと思い、開演20分前に並んだ。
1時間あるので、グッズを早めに買えばゆっくりできるだろうと思っていたのに開場が遅れた!
しかも2〜30分。
きっとまた売り場はすごい事になるだろう・・と思ったら思った通り。
無事に買って下がろうと思ったら人に押されて出れない(T_T)
買ったものを落とすんじゃないかとヒヤヒヤしながら人ごみを脱出。
あんまり焦って買い忘れたものがあったり、Tシャツのサイズ間違えたりで、大失敗でした。
 それでも買うもの買ったし一安心して会場の中へ。
入って座席に着き、ステージを見て感激した。
ラストツアーの再現なのね。
電飾で飾られたビルのシルエット、手作業だった頃のようにやぐらの上の照明。
そして浮かぶ懐かしいロゴのKaiBandの文字・・・・。
それを見ただけでもうぐっと来てました。
会場には懐かしい洋楽が流れてる。(今回のテーマは何かなぁ)

 開場時間が遅れたせいもあるのか、ステージも2〜30分遅れで始まった。
25時の追跡」が流れ、バンドメンバーたちがステージに登場。
今回の席は右スピーカーの前あたりだったので、右端の人たち、見えるかなぁと心配だったけど、よかった!全員見える。
マックが坂井さんでちょっと見えなくなったりはしたけど。
甲斐さんのソロツアーとは明らかに違う雰囲気の会場。
たぶん、20年振りに来たって人も多かったんだと思う。
バイクのエンジン音!あ!!「胸いっぱいの愛」だ!!
はなまるマーケットのエンディングの為、リアレンジされたこの曲。
絶対やるとは思っていたけど、1曲目とは!いきなりテンション上がる〜!!!
松藤さんはまだドラムは叩かない。
今回も松藤さん、おしゃれ〜!(友達は「スタイリスト付いたんじゃないの?」って言ってたけどどうなの?)
甲斐さんは黒いコート。ちょっと暑そうだけど、冬に向けてのツアーだから、だんだん違和感なくなっていくんだろうな。
首には細いマフラーのようなものが巻かれてる。ちょっと邪魔っぽい。
1曲目から友達と「絶対あの長いの、途中で外すよね」って話してました。
耳には初イヤモニ。腰には送信機らしきもの。
英二さん、ちょっと遠いな〜。
目の前の一郎は1週間前にも会いましたが(ステージでね)とっても元気そうだ。
2曲目は「感触(タッチ)」。リミックスされて「ターッチ」の声が1個多いバージョン。これ最高よね!!
今までなかった所に「ターッチ」って入るだけで、こんなにワクワクするものか!
ガラスの動物園のテーマ」が流れてきた!え〜!!!じゃあ次ぎの曲は・・・
もちろん「らせん階段」。
いい流れ〜。らせん階段のライブバージョンのイントロはゾクゾクする。
甲斐バンドらしく、次々と続く曲。この疾走感はたまらない。
ナイト・ウエイブ」。甲斐バンド時代のイントロ
、そのまま?これが入ると入らないではやっぱり違う。
もうここでもウルウル状態。ナイトウエイブなんていつも歌ってるし珍しくもないのに、一郎の弾くギターがやっぱり胸を打ち、ウルウルさせるんだな〜。
シーズン」。甲斐バンドだ〜!!って当たり前ですが、この曲、私と夫の思い出の曲なので、甲斐バンドとして聞くとやっぱりいつもと違うのです。あの暑かった夏の日を思い出してしまうのだ〜(#^.^#)
松藤さん、何の曲からドラム叩いたんだっけ・・・・。すっかり忘れてしまいましたが、次の曲「ビューティフル・エネルギー」で、ギターを弾きながら歌っていたので、この後からなのかも知れません。
松藤さんは途中、ドラムセットに座った後はずっとそのままでした。(ドラムセットにいてドラムを叩かず、キーボード弾いたりしてる時もありました。これも何でそうしていたか次に確認しなくちゃ)
もちろんこの曲は「ドラムの松藤が歌ってくれる」と甲斐さんが言ってステージを去ります。
全部松藤さんに歌わせるのかと思ったら、2番で甲斐さん戻ってきて甲斐さんが歌いました。
最近は1番が甲斐さん、2番が松藤さんってのが多かったので、1番を歌う松藤さんが新鮮で、しかも歌うまい!!!
そして「カーテン」!!。この曲は
、絶対やるだろうと思っていたし、絶対やって欲しいと願っていた。
やっぱりエンディングのギターがね!やっぱり最高です。
照明もピンクで色っぽい甲斐さん。
松藤さん、この曲からドラム叩いたのかなぁ・・・。(次、行った時にしっかり確認します)
甲斐さんが「いやらしさが甲斐バンド、○○○○・・・」何だっけ、エッチだとか何とか言ってたはずですが忘れちゃった。
裏切りの街角」。イントロが短いレコードバージョン。
椅子に座り「安奈」。安奈の前にMCだったかな。
黒澤フィルムスタジオのDVDが出たと言う話や、何で初日に大宮を選んだのかとか(気まぐれって言ってた)さんまとマッキーのテレビやミュージックフェアに出た時の話しなどをしていた。
マッキーの顔は”すごろく”の絵みたいだって言ってたけど、それはすごろくじゃなくて”ふくわらい”でしょ〜!と小声で突っ込み入れました。
名古屋のイベンターの告知が「甲斐バンドと一緒に青春を歌いませんか」と書かれていた事にも触れてました。(それはないよね〜!)

嵐の季節」。うぉー!お早いご登場で!こぶしの準備、できてないのにぃ〜とドキドキでしたが、やっぱり気持ちが乗って楽しいと全然疲れないものだね〜。あと1コーラス、こぶし挙げられるくらい全然OK〜。
最後の♪今は嵐の〜〜 の伸ばす長さが初日らしく手探り。(昔、長かったもんね、ここ)
甲斐さんが伸ばしてる所に前野さんの演奏がエンディングに入ってしまったので短め。
次、どうなってるか楽しみだ。
マックとジャラのパーカッションが響く。お!!お!!次は何?何?パーカッションに続くいろんな曲が頭に浮かぶ。
まさかもうポップコーン?翼?いろいろ想像していたら「地下室のメロディー」だ〜!(思いっきり心の中で楽しんでる私)
一郎が弾く、大森さんのシタール。
ちょっとしんみりしていたら、ちょっと甲斐さんが変になってきた。
そう、イヤモニの調子が悪いみたいで、耳を押さえたり、スタッフに指示したりし始めたのがこのあたり。
ずっとシタールを弾く一郎を見ているつもりだったのに甲斐さんが気になりだしたのでよく覚えてる。
ストロボフラッシュの「ポップコーンをほおばって」、青と赤のライトに甲斐さんと一郎が浮かぶ「氷のくちびる」、ラストのポーズ、久しぶりにライブに来たと思われる人が例のラストポーズを真似して隣の女性に見せてた(何て印象だ)「翼あるもの」。
と激しい歌がマックのパーカッションを挟みつつ続く。
ちょっと辛そうな甲斐さん。
最初から、いつもとちょっと発声が違うような気がしていた。
スピーカーのせいなのか、私のいる場所なのか、イヤモニのせいなのか、それはわからないけど。
だんだん声がかすれていき、イラつく甲斐さん。
2〜3回、マイクスタンドを投げ飛ばした。(私の席からはななめちょっと後の英二さんが甲斐さんのすぐ後ろに見えて当たらないかちょっと心配だった)
LADY」。歌う前に、LADYのピアノのイントロが延々流れ甲斐さんが話す。
昔のライブもそうでした。
このピアノの音を聞きながら「生きてる証が欲しい。希望の歌を」と言ってからLADYを歌いだしてたな〜とふと思い出していた。音ってすごい。古い記憶を呼び戻す。
そんな事を考えていたら、ここで話していたこと、すっかり忘れた。
たぶん、あのピアノの音をバックに、いい事言ってたんだろうけど・・・・・。
全国の人がどれだけ喜んでくれるかを考えて選曲した・・とか言ってたような・・・・。
懐かしいドラムで始まる「HERO」。ここで本編は終わり。

ちょっと心配だよね・・・と友達と話してました。
やっぱり慣れないイヤモニのせいだよね、ちょっと怒鳴りながら歌ってる時もあったし・・・。
ヘッドフォンしながら歌うとちょっと音痴になる、自分の声がどれくらい出てるかわからない、たぶんそんな感じ。
あれじゃ、のどにも負担がかかるだろうな。
会場には男の声で甲斐コールが響く。男性、多いですね〜。
最近は男女半々だと思ってたけど、私の席のまわりは男性だらけでした。
袖に白いシャツの人がチラっと見えたので、「あれ?甲斐さんじゃない?」と言うと「甲斐さんはグッズTシャツでしょ〜」と友達。あ、そうか。
と、中に入って来たのが白いシャツの坂井さん。ああ、あれは坂井さんだったか〜と思ったら、白いシャツの甲斐さん!!やっぱり〜!!
シャツの中、豹柄のタンクトップだったような・・・・。ちょっと記憶が曖昧。
一郎は黄色のシャツ。
そうそう、あの細いマフラーのようなもの、確か、ビューティフルエネルギーでステージを去る時に外しながら袖へ下がり、出てきた時にはもうありませんでした。

 アンコール1回目。「漂泊者(アウトロー)」、「きんぽうげ」と続く。
これらの曲はイントロ聞くだけで大興奮です。
相変わらずイヤモニの調子は悪いようですけど、こっちが盛り上がっちゃえば関係ない。(ごめんね、甲斐さん)
メンバー紹介の後、紹介されて出てきたのはあの徳広裕!!え〜!?
全く想像してなかっただけに本当に驚いた!(大都市だけだそうです)
ステラボールで、鈴木明男さんがサックスで出てきたけど、甲斐バンドならやっぱり徳広裕さんでしょう。
マックと同じように、渋いおじさんになってました。
観覧車’82」徳広裕のサックスが響き、レインボーの照明で色づくステージ。
演奏は続き、下がる甲斐さん。サックス、やっぱりいい〜♪
ここでアンコール1回目は終わり。本当、徳広さんで驚かされました。

 アンコール2回目。
マイクスタンドが4本。もちろん「破れたハートを売り物に」。
左から、英二さん、松藤さん、甲斐さん、一郎。(だったよね)
途中、歌うのをやめ、マイクスタンドから離れ、スタッフに何か言ってる。
そうか。まだイヤモニダメか・・・。
止めちゃうんじゃないかと思ったが、そのまま続く。がんばれ、甲斐さん!
ラヴ・マイナス・ゼロ」のイントロが聞こえて来た。
うわっ。”あれ”言うのかな。言うだろうな。
サックスに再び鳥肌。そして、みんな演奏うまいな〜、この曲でなぜか改めてそう思った。
「サンキューじゃあね」・・・やっぱり言ったか。そろそろ違うフレーズにしても・・・・いやっ、これでいいんだよね。
街路」。!!え〜!!!!ここでまたびっくりさせられた。
これから続く曲と言ったら、あれしかない。とうとうラストか・・・。
100万$ナイト」。ピアノのイントロ、大好きです。昔、楽譜見てこの曲だけ一所懸命
練習しました。(イントロくらいは今でも弾ける)
歌い初めてすぐ、また右(甲斐さんからは左)を睨む。睨み続ける。
わからないように睨むのではなく、上半身右向いちゃってる。
この曲でそんな風にするのはよっぽどの事だ。
甲斐さんの顔が見る見るうちに悲しい顔になっていく・・・・・・。
声の力がいつもと違う。
♪やり場のない孤独と哀しみ・・・・。辛かったです、見てて。
一郎のギターも松藤さんのドラムも甲斐さんの声も泣いてた。いろんな意味を含め。
ミラーボール。胸が痛かった。
最後、松藤さんのドラムが力強く響いた。
力尽きたかのような甲斐さん・・・。

 それでも、最後は丁寧に手を振り、会場のみんなに長々と挨拶。
さっきの顔とは少し違う甲斐さんだった。
ありがとう。その時、私は心からそう思った。

 古いスタッフ、そしてソロ時代(たぶん初期)のメンバーが全員揃ってると甲斐さんは言っていた。
それでもトラブルは避けられない。ライブはこれだから面白いんだと思う。

 
2日後の生放送でのセイヤングでは一言もそのことには触れなかった甲斐さん。
でも、甲斐さんはとっても元気で嬉しかった。